Russian Blues / English / ブルーフォックス・キャテリー(HOME) / What's new? / キャテリー紹介 / ロシアンブルーの歴史 / ロシアンブルーの購入先を考える / ロシアンブルーのオーナーになる前に / 去勢・避妊すべきか、繁殖すべきか / ブリーディングの知識 / 罹りやすい病気について / 『ロシアンブルー飼育マニュアル』 / 仔猫出産情報(連絡先メールアドレス) / 障害を持った猫の里親募集 / 成猫の里親募集 / 購入者感想 / 仔猫写真ギャラリー1 / 仔猫写真ギャラリー2 / ブルーフォックスのロシアンブルーたち / 思い出の写真集 / 「あおぎつね」の図書館 / 超一流CFAロシアンブルー見聞録 / ブルーフォックス・キャテリーQ&A / アイデア給餌器 / 動物取扱業者としての表示 / 不逞の輩 / リンク / Russian Blues 去勢・避妊すべきか、繁殖すべきか ブリーダーとして成功する人は少ない 現在日本では、クオリティーの低いロシアンブルーの数が非常に増えてきています。無責任なロシアンブルーブリーダーが、キャットショーで勝ちたいという自分のエゴを満足させるためやお金儲けのため、自分の子供の情操教育のために仔猫を生ませた結果だと思います。命とはそんなに軽いものなのでしょうか。子供の情操教育が目的なら、保健所に行って、オーナーに捨てられた、薬殺されるのを待つばかりの犬や猫を見せてあげるべきではないのでしょうか。年間何万という純血種を含む健康な猫が薬殺処分されているのです。 繁殖というのは、素人が考える以上に複雑かつ大変な仕事です。知識を得て実際に繁殖を行い、仔猫が生まれた時にロシアンブルーのスタンダードに準じている個体か否かを見極められなければいけません。真のショータイプが生まれてくることは稀で、一腹の仔猫が全部ペットタイプというのがほとんどです。そして、経験してみなければわからないことですが、同じ1匹を世話するにしても、去勢・避妊したロシアンブルーとは比べ物にならないぐらいお金がかかります。オスを所有していなければ、お金を払ってスタッド(交配)サービスを頼まなければなりません。妊娠中や授乳中は食事の量を通常より格段に多くしなければならず、お金や手間暇がかかります。仔猫が生まれれば、ワクチン代や新しいオーナーを探すための広告代も出さなければなりません。しかし、必ずしも良いオーナーが見つかるとも限りません。残ってしまったロシアンブルーを、これからも世話できる時間とお金、そしてスペースがあなたにはありますか。 でたらめにロシアンブルーを繁殖した結果、一昔前のシベリアンハスキーのように骨格異常やクオリティの低い個体が巷にあふれ、バナナのたたき売りのように安価な値段で取り引きされるようでは困ります(現状では、非常に残念ですが、そうなっています)。知識もないのに、「子供を産ませたい」や「値段を下げれば売れるだろう」などと安易に考えるのはブリーダーとして失格ですし、何より生まれてきた仔猫がかわいそうです。たとえペットとしてでも、クオリティの低いロシアンブルーを欲しがる人はそういないはずだからです。ブリーダーとして脚光を浴びる人はほんの一握り。ほとんどの場合、費やした時間とお金の方が見返りよりも大きいと言えます。 去勢・避妊のすすめ 「繁殖を望まないなら去勢・避妊すべきです」というのが一般的に受け入れられている考え方だと思いますが、最初になぜそうした方がよいのか、メスそしてオスの順番で説明したいと思います。 まず、生後1年前後でメスにはシーズン(繁殖期)がおとずれ、交配しないでいると2、3週間のインターバルをおいて(個体、年齢によって違う)、次から次へと繰り返しシーズンがやってきます。シーズン中、メスはあらゆる手段を使ってオスを探そうとします。近くにオスがいなければ、大声で鳴き求め部屋から脱走しようとします。中には、部屋中にスプレーをし、自分の存在をオスに知らせようとするものもいます。もし、あなたがアパートに住んでいるとしたら、仮にペット可の部屋だとしても、近所迷惑であり、とても一緒に住める状態ではありません。これらの問題が起きても、「ロシアンブルーが好きだから苦にならない」という方がいるかもしれません。しかし、このような状態が長く続くと、食事に興味を失って痩せてきたり、あまりグルーミングをせず不潔になったり、とても不健康です。そしてもっとも恐ろしいのは、子宮内感染症がおこりやすくなることです。イタチ科のフェレットのメスは、同じような状態が長く続くと死んでしまいます。この例から、繁殖できるロシアンブルーを繁殖させないのは拷問に等しいといっても過言ではないと思います。 次に、性成熟したロシアンブルーのオスはスプレーマシーンと化し、メスのスプレーとは比べ物ににならないほど強烈な臭いをまき散らします。これはオスのテリトリーを主張する本能に基づく行為(中には例外的にスプレーをしないオスもいますが、非常に稀)ですから、しつけによって直すことは不可能です。以前、書物にスプレーをされたことがありましたが、その臭いは1年以上たっても全然なくなる気配すらありませんでした。このようなことにならないためにも、家族の一員として一緒に住むオスの去勢手術は必要かつ不可欠であり、またメスと同様繁殖できるのに繁殖させないのは不健康であると言えます。 ロシアンブルーの去勢・避妊の時期ですが、メスは8か月、オスは9か月以上経ってからが良いと思います。私の知人であるアメリカのロシアンブルーブリーダーもほぼこの時期の手術を推奨しており、今のところこの時期が遅すぎるという意見は私自身聞いたことがありません。あまり早い時期にしてしまうと、メスもオスもホルモンのバランスを崩し発育不良になり、尿道結石を始めとする様々な病気の原因になると言われています(しかし、参考までにお伝えしますが、アメリカの獣医師会の報告で早期手術と尿道結石との因果関係は否定されたことがあります。これはたくさんのデータに裏付けられた結論であり、つまるところ若齢での手術は特に問題ないのではないかというものです)。最後に、去勢・避妊手術をしてもオス10%、メス5%の確率でスプレーをする可能性があることを付け加えておきます。 ロシアンブルーを繁殖すべきか、否かの判断基準 ここまで述べてきたことすべてに問題がなく計画的に繁殖をしてゆく自信のある方は、あなたのロシアンブルーが繁殖用以上のものであるかを最後に確認すべきだと思います。CFAの基準では、ペットショップやアニマルシェルター(保健所)から入手したロシアンブルーは論外で繁殖不可。ロシアンブルーブリーダーから購入したとしても、登録申請書の繁殖可の欄にナンバーを記入してもらい登録証を取得できる条件が整っていなければなりません。また、前3世代のなかに最低8頭以上のチャンピオンもしくはグランドチャンピオンがいることも条件です。さらに、そのロシアンブルーの性格がよく健康でロケットなどの遺伝的欠陥がないことが重要な要素になります(CFAのチャンピオンやグランドチャンピオンのタイトルがあればベター)。その上で、上記条件を満たした交配可能なロシアンブルーがいればOKというわけです。 参考文献:“The Complete Cat Book” Richard H. Gebhardt & “The Russian Blue Cat” Ingeborg Urcia |